行政書士法人アベニールの杉本です。
今回のブログのタイトルは「退去強制と出国命令制度について」です
テレビ番組などで時々「外国人の不法在留の取り締まり」の映像等が流れます。
その際、「強制送還された!」という言い方をしますが、この強制送還になると
その外国人はどうなるのかについては報じられませんので、今回はこの「強制送還」と
それによく似た「出国命令制度」についてその差異と概要をお伝えします。
まず強制送還は正式な名称としては「退去強制」といい退去強制事由に該当した外国人を
強制的に日本から退去・送還する行政処分です。
退去強制の事由に該当する行為としては
・不法入国、在留資格の取り消し、他の外国人の不正を助けた人、資格外活動の違反
オーバーステイ、 その他日本の法令に違反した者
などです。退去強制の場合は送還が完了するまで身柄を拘束されるほか、一定期間
日本への上陸を拒否する「上陸拒否期間」が設けられます。
・始めて退去強制の対象となった場合には「退去強制の日から5年」
・過去に退去強制や出国命令により出国した事がある者への退去強制の場合は「10年」
・日本および日本国以外の法令に違反して1年以上の懲役や禁錮刑に処された者や麻薬、
大麻、あへん、覚せい剤などの取締法に関する法令に違反した者については「期間の
定めなし」とされていますので、入国が基本的にはできなくなります。
それに対してよく似た名前の制度として「出国命令制度」というものがございます。
出国命令制度については「不法在留(オーバーステイなど)以外の退去強制事由に該当し
ておらず、過去に退去強制や出国命令で出国した事がない外国人」が「自ら入国管理局
に出頭した場合」に適用されます。「出国命令制度」の場合は身柄の拘束・収容はなく
また上陸拒否期間が「出国した日から1年」と退去強制に比べて短くなっています。
今回は「退去強制と出国命令制度」について簡単にご説明しました。
上記のようにオーバーステイになってしまった方については、正直に自ら入国管理局
に出頭する事で「退去強制」ではなく「出国命令制度」で日本を出国できる可能性があ
りますので、失踪や別の犯罪に手を出すのではなく、出頭することを「オーバーステイ」
になってしまった方には薦めています。
弊社では外国人の方の在留資格の各種申請(認定、更新、変更、取得)をサポートしてお
ります。お困りの方はお気軽にご相談ください。
行政書士法人アベニールの杉本でした!